ホルモン補充療法とは

 ホルモン補充療法とは更年期障害や更年期による症状緩和のために行われる治療です
近年では男性の更年期障害に対するホルモン補充療法も行われていますがここでは一般的な女性の更年期障害に対するホルモン補充療法紹介します
女性の体内では女性ホルモン(エストロゲン)分泌されていますしかし加齢によって卵巣の機能が衰えるとエストロゲンの分泌量が減量しますさらに閉経を迎えると一気にエストロゲンの分泌量が減少し体に様々な不調があらわれます
これが更年期障害とよばれる病気ですこの更年期障害による症状への効果的な治療としてホルモン補充療法(HRT)おこなわれます
一般的な方法では体内にエストロゲン黄体ホルモンよばれる2種類の女性ホルモンを投与しますしかし過去に子宮を摘出している場合など既往歴によってはエストロゲンのみを投与するエストロゲン単独療法(ET)選択されることもあります
ホルモン補充療法(HRT)使用される薬の投与方法も様々ですホルモン製剤には水で飲む錠剤タイプの皮膚に貼るパッチタイプの塗り薬などがあります
エストロゲンと黄体ホルモンの成分を両方配合した薬が使用されることもあります患者さんのホルモンの量や体内の機能副作用などによって薬の種類を選択します患者さんに高血圧子宮筋腫肝機能の障害がある場合は投与方法や投与量により注意しながら行います
ホルモン補充療法によって不足した女性ホルモンを補うことで更年期障害による症状(ほてり発汗倦怠感うつなど)緩和されます

ホルモン補充療法は太る?費用は?

ホルモン補充療法は太るのではないか心配する人もいますが実際はホルモン補充療法で過度に太ることはありませんホルモン補充療法によって更年期障害が改善されて食欲が増進することが多いためやや体重が増加することはあります
これは健康的な体重増加です食事の栄養バランスに気を付けていれば太りすぎることはありませんホルモン補充療法では逆に体重が減ってしまうこともあります
療法を開始した直後は薬の内服後に吐き気や胃のむかつきなどの軽い副作用がみられることがありますこの場合食欲不振によって体重が減る事があります
こういった治療の開始直後~2ヵ月頃に起こる不調をマイナートラブルよびますマイナートラブルには胸のハリ乳房痛性器からの不正出血お腹のはりなどがあります
マイナートラブルは薬の量を調節することによって徐々に納まりますマイナートラブルや副作用がみられたら勝手に治療を中断せずにまずは医師に相談してみましょう
かつてのホルモン補充療法(HRT)重度の副作用やリスクがありましたそのためホルモン補充療法に危険なイメージを持っている人もいますしかし現在では医療の進歩によって体に負担の少ない低用量のホルモン製剤が開発されているので安全に行うことができます
ホルモン補充療法には保険が適応されますがそのためには条件があります更年期障害診断されるかもしくは骨粗鬆症などでホルモン補充療法が必要である医師が認めることが必要です
まずは婦人科で医師の診察を受けましょう保険適応の場合高額な治療費がかかることはありません治療にかかる金額は使用される薬や通院の頻度によって異なりますおおよその金額は薬代が1ヵ月2000円~5000円です通院費と合わせても1ヵ月3000円~6000円程度の負担で収まることが多いようです

ホルモン剤の副作用

婦人科では病気の治療にホルモン剤という薬がよく使われていますホルモン剤には体内のホルモンバランスを調節して治療効果を発揮させるために化学合成された女性ホルモンが配合されているものです
女性ホルモンには卵胞ホルモンとも呼ばれるエストロゲンと黄体ホルモンとも呼ばれるプロゲステロンがあります健康な女性の体ではこの2種類のホルモンがバランスよく分泌され正常な生理の周期が守られて妊娠に適した体を維持しているのです
月経前症候群や生理不順更年期障害といった病気はこのホルモンバランスが乱れることで発症するためホルモン剤の服用で症状が改善しますまた乳がんや子宮筋腫子宮内膜症といった病気でも女性ホルモンが発症に関わっていますので別の種類のホルモン剤を使って治療を試みます
女性特有の病気の中でも最も死亡率が高いことから恐れられている乳がんは大半が痛みを伴わないため発見が遅れるケースも少なくありません近親者に乳がん発症歴がある人はそうでない人よりも発症リスクが高いと言われています
出産や授乳をしていない女性も乳腺が長期間萎縮せずに存在し続けるため乳腺小葉上皮や乳管上皮に悪性腫瘍が発生しやすくなっている可能性があります
乳がんと診断された場合の治療は進行度によって異なり一般にステージ2までは乳房の保存療法も可能です女性ホルモンのエストロゲンは乳がんの細胞と反応し細胞増殖を促すように作用します更年期障害などの治療に使うエストロゲン製剤を長期間使用した場合に乳がん発症リスクが高まると言われていたのもこうした理由によります
現在では専門機関の再検討によってその見解も見直されていますが乳がん治療においては抗エストロゲン剤などエストロゲンを抑えるホルモン剤が有効です乳がん治療に使われるホルモン剤にも多くの種類がありがんの進行度や閉経前閉経後の条件によって使い分けられています
乳がん組織の検査で判明する女性ホルモン受容体が陽性の場合はホルモン剤による治療が高い効果を発揮しているのですホルモン剤は乳がん以外の病気を治療する際にも多く使用されています
閉経に伴って女性ホルモンの分泌が急激に減少し体内のホルモンバランスが乱れて自律神経に影響を及ぼす病気が更年期障害ですホットフラッシュやめまい肩凝りイライラなどさまざまな症状の原因となる更年期障害を改善するため症状に合わせた種類のホルモン剤が処方されます
経口薬や貼付薬塗布薬といった形でエストロゲン単剤やプロゲステロン単剤が更年期障害の治療に使われていますPMSとも呼ばれる月経前症候群や月経不順の治療にはホルモン剤の一種に該当する経口避妊薬を利用するケースが少なくありません
経口避妊薬にはエストロゲンとプロゲステロンが含まれており体内のホルモン分泌を抑制することで月経に関わるホルモンバランスを整える効果が得られますこの他にも子宮筋腫や子宮内膜症不妊治療にもそれぞれに適合したホルモン剤が使われる場合があります
このように女性ホルモンと深く関わる病気の治療に大きな成果を上げているホルモン剤ですが薬には多かれ少なかれ副作用も付きものです
体質によっては副作用がほとんど表れない場合もあるとは言え服用の際には事前に副作用のリスクについて知っておくことが欠かせません乳がんの治療に使われるホルモン剤もエストロゲンの分泌を抑える作用があるため更年期障害と似た症状が発生しやすくなります
ほてりやのぼせ発汗頭痛肩凝りなどが更年期障害の代表的な症状ですが抗エストロゲン剤などのホルモン剤を服用していると骨粗鬆症のリスクも出てきます
エストロゲンには骨を強くする働きもあるため骨密度が低下して骨折を起こしやすくなるのです乳がんのホルモン治療を受ける際にはカルシウムやビタミンDなど骨を強くする栄養素の摂取を心がけ食事で不足する分はサプリメントなどで補うようにするといいでしょう
乳がん治療に使われるホルモン剤の中には太りやすくなるという副作用を持つ薬剤もありますこのホルモン剤には食欲を増進させる作用があるため体重増加は想定される副作用の1つなのです
体重増加を抑えるには脂肪を効率的に燃焼させるための有酸素運動に加え脂肪と糖質の摂取量を調節する食事の工夫も欠かせません過剰なダイエットは体に大きな負担をかけますので適度な運動と上手に組み合わせて摂取カロリーを調節するのが体重増加の副作用を健康的に抑えるコツです